スリランカ ウバ紅茶の自営農民について実態調査を行いました

JIPPOは、設立当初からスリランカ・ウバ州のハプタレーにある紅茶プランテーション農園の「グリーンフィールド」とフェアトレードを行なっています。また、茶園で働く人々の生活改善支援として、幼稚園の園舎改築や幼稚園教員の研修事業なども実施しました。 しかし、プランテーションへの支援は労働者の生活改善になかなか結び付かないという悩みも抱えてきました。また、プランテーションに依らない自立した農民による農業が今後のスリランカには重要であると考えています。 そうしたプランテーション労働者の小規模自営農民化を将来の大目標に据えながら、まずは小規模自営農民の育成に必要な事柄を洗い出そうと、小規模自営農民の生活実態調査を計画。独立行政法人国際協力機構(JICA)関西国際センターの平成25年度市民参加協力「国際協力!次の一歩プログラム」の助成を受け、12月19日から28日の10日間、ウバ州のハルドゥムッラで、小規模自営農民の聞き取り調査を実施しました。


調査は、JIPPOがフェアトレードを行なっているハプタレーから10㎞ほど離れたハルドゥムッラという町を中心に行いました。この町にある紅茶プランテーション、Need Woodのマネージャー、ガーミニー氏が調査の趣旨に賛同し、協力を買ってでてくれたおかげで、地域の小規模自営農民をスムーズに訪問することができました。 ハルドゥムッラでの聞き取りから、現地の農民の生活は、想像していたのとは違い、茶を主たる生計としている家は少なく、家族の誰かが外に働きに出ている兼業農家がほとんどでした。中には5人家族のうち3人が海外へ出稼ぎに出ているという家もありました。家計は潤って見えますが、外国にいる娘らを思う親の気持ちは計り知れません。スリランカ人の出稼ぎ者数はアジアで最も高く、それに伴って悲惨な事件や事故に巻き込まれることもしばしばです。親の一方ならぬ心配は、日々の国際電話やスカイプにかける時間からもうかがえ、農業で生活できるのであれば、出稼ぎなどしなくても良いのにという思いはぬぐえません。

しかし、彼らを取り巻く環境はとても苦しいものがあります。小規模自営農民が茶葉を買い叩かれる理由には、個々のやり取りで組織的な力が無いこと、自分たちで製品化できる小規模な加工場を持てないこと、栽培技術や品質管理能力を培う教育システムが乏しいこと、プランテーションが持っているよう なマーケットが無いことなどが挙げられます。小規模自営農民を組織し、技術や品質管理の向上を図り、主体的にマーケットと契約できるようになれば、自立した農業を営むことが出来るかもしれません。

JIPPOは、プランテーション労働者が貧困から抜け出すための一つの方法として小規模自営農民に変わっていくことが望ましいと考えるが、今回の調査により、その受け皿となる地域の自営農民の底上げが必要であることが明らかになりました。

そこでまずは、プランテーションが格となり、栽培技術、マーケティング、品質管理のノウハウを生かしながら地域と連携し、自営農民の能力を高め、併せてプランテーション労働者のインセンティブを向上させていくプログラムが有効と考えます。茶栽培のさまざまな人びとが連携しながら、プランテーション労働者を含む紅茶生産者全体の質を向上していくプログラムにつなげていきたいと思います。

0.5エーカーの茶畑を栽培している女性

0.5エーカーの茶畑を栽培している女性

農民の聞き取りの様子

農民の聞き取りの様子

牛を飼い、バイオガスを生産している農家も

牛を飼い、バイオガスを生産している農家も

高台から見たハプタレーの集落

高台から見たハプタレーの集落

  • 2013年12月18日(水)

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